
急場しのぎのフリーター
平成14年度平均の完全失業者数は359万人。
女性の失業者は前年に比べ9万人も増えるなど、就職希望者にとり依然として厳しい状況が続いている。
特に女性の場合、経年的に見て、16歳〜24歳、25歳〜34歳層の失業率か高まる傾向にある。
この時期を、家庭に入る前(または出産前)の準備期間ととらえる女性が多いことも影響しているだろうが、「希望する職種・内容の仕事がない」といった、いわゆる選り好みの問題も大きいようだ。
一方、平成15年3月卒業予定者の就職内定率を男女別に見ると、男子36.4%(前年同期を4.3ポイント下回る)、女子30.1%(前年同朋を2.9ポイント下回る)である。
一般に、学歴が低く社会経験の乏しい新卒者が、正規雇用される道はより狭まっていると言わざるを得ない。
その結果、自分のやりたいことができないのなら、働かない。
または、やりたいことかできるようになるまではフリーターとして生活費を稼ぐなど、正規雇用者ではないさまざまな働き方で急場をしのぐ若者か増えている。
職業人として生きる為に
しかし、急場しのぎの急場とは、いつまでを指すのだろう。
この先、経済や雇用の状況が、職を求める若者に有利に展開していくことはあるのだろうか?
そして何より、待っている間にもどんどん月日は流れる。
日本経済の混乱に翻弄され、待ちの姿勢で時間を過ごす以外に選択肢はないのだろうか。
一度しかない人生をより主体的に生きるために、今、何をするべきか。自分が「これだ!」と思える仕事に出会うための第一歩を考えていきたい。
フリーター → 正社員はあり得るか
フリーターは集業者ではないアルバイト・パートなどを通じ、いくらかの仕輩をしているからである。
しかしながら、その存在基盤は不安定で、男性フリーターの約7割強、女性フリーターの5割強が「将来の見通しは明るい」との質問に否定的な答えを出している。
この調査を行った東京東学社会科学研究所助教授の春田由紀さんは、
「フリーターの将来展望について、現時点では暗いとも明るいとも断定できません。ただ、手に入るデータからうかがうことができるのは、一旦フリーターになってしまうとそこから出るのはますます難しくなっているということなのです」と語る。
様々な年齢層を見ても、最初の仕事が非正規就労であったのに、その後正社員として揺用されるパターンはほんとうにわずかだといえる。
フリーターの中には、アルバイト・パートの職に就くことによって、そのうち正社員の職に就くチャンスが開けるかもしれないという見方もある。
しかし、現実にはそのチャンスは極めて限られているようだ。
そうなると、将来、正規採用を希望するのであれば、新卒の就職時点で、何とかしがみついてでも正規社員として採用されたほうがいいといわざるを得ない。
女性が持つべき、生きる術
一方で、女性ならではの問題もあると、本田さんは指摘する。
特に20代の後半の女性は、アルバイト・パートの比率がもともと高かった。
しかしそれ以上に、1990年代半ば以降、20代前半の若い層でアルバイト・パートなど非正規での就業形態が急激に増えているのである。
これは、それまで正規社員として雇用していた一般職などを、アルバイト・パートや派遣などの非正規雇用に移行していった結果と捉えることも出来る。
「今までは、高校や短大を出て漫然と経験した「普通」のOLにも与えられることがあった、総合職への転換やキャリアアップの機会。
そういうルートは閉ざされてきているのです」
かといって学歴があればよいわけではない。
「産業界からの大卒者に対する需要は一定なのでしょう。
4年生大学卒業者はどんどん増えているのですが、増えた分だけ未就業者も増える結果になっています」
本田さんは「このような社会の中で、女性が仕事を持ち生き残っていくには、しっかりとした意識と行動が必要だ」とも言う。
「これからは、ただ、『普通』にしていれば何とかなるという時代ではなくなっていきます」
一方で、専業主婦のいる世帯の税負担を軽くしていた配偶者特別控除が、2004年1月以降廃止されることが決定するなど、主婦になれば安息の地を得られるという問題でもなくなってきている。
しかも、夫の収入が右肩上がりするということも、しばらくはないだろう。
そうなると、女性であっても、ごく若いうちから、将来も働き続けることを念頭に置いた準備をしておく必要があるのではないだろうか。
「今は正解とされる生き方のモデルがなくなっているのだから、とりあえず非正規で仕事をしようという女性も多いようです。
しかし、生きていく術をきちんと意識しておかないと『甲羅のない亀』になってしまいます。
自分を守る術もなく、ながされるままに生きていこうというのでは、人生の中で出会う様々なリスクに打ち砕かれてしまうのではないでしょうか」
未来の明るい職業はあるか?
では、就職も結婚もこれからだという若い女性は、何をすればいいのだろうか。
「とりあえず、今、企業は当てにならないと思います。
だとすれば、若者達は自分たちの手で自分たちの仕事を創っていくという発想が必要なのではないでしょうか」
夢見たいな話かもしれないが、と前置きしながら本田は、「NPOやニッチ産業に未来へのヒントがあるかもしれない」と語る。
「自分たちの手を必要としているところを見つけ出す感覚は、若い人たちのほうが強い。
新しいニーズを見つけて、営利億滴ではない活動などをしていくことも出来ると思うのです」
そしてもう一つ。
第一次産業や、伝統的な第二次産業の後継者。いわゆる、農業や職人と言われる領域である。
「非常に長期的な展望で見たときに、これからすべての先進国が、経済成長ばかり追及していく世界ではなくなってくるでしょう。
その中で、意味や質、やりがいを追求していく動きというのは、社会全体としてあり得ると思うのです」
リストラの続く企業が、今後、女性に期待してくるのは、並の男性以上に働く女性だ。
それに成り得る資源を持っている女性であれば、企業社会で成功する可能性もあるだろう。
しかし、現実的にここへ入れる女性は一握りに過ぎない。
企業社会で安く使われるのが嫌なら、それ以外の道を自分自身で見出す努力、そして行動力が必要である。
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