魅力的なコピーに惑わされるな
新聞の求人広告は、スペース自体がそれほど大きくありませんから、必要事項を書いたら、それでいっぱいになり、余計なコピーなどを書き入れる余裕がありません。
それに比べて、雑誌は大きなスペースを確保することが新聞よりも容易です。
しかも、会社概要や募集要項の活字の大きさは、スペースの大小に関係なく決まっています。
ですから、半ページや1ページといった大きさの広告になると、応募者の関心をひくようなコピーが氾濫しています。
その会社のイメージが感じとれるコピーならいいのですが、美辞麗句を並べ立てただけといったようなコピーは、あまり感心しません。
調子のいい、きれいごとばかりの広告は、ちょっと警戒してみる必要があるでしょう。
お世辞を言われて悪い気はしませんが、かといって歯の浮くようなオベンチャラばかりだと、逆に信用できなくなるのと同じです。
なかには、会社概要や業務内容とまったく関係ないようなコピーを載せている広告も目につきます。
たとえば、「アフター5にディズニーランド」というコピーがありました。
よく読んでみると、たんに会社のある場所がディズニーランドに近いというだけのことです(笑)。
その会社は、どちらかといえば女性に敬遠されがちな地味な鉄鋼関係です。
そのため、一人でも多くの女性が応募してくれないものかと、担当者が知恵をしぼって考えたのでしょう。
好意的に解釈すれば、「残業はありませんから、アフター5を楽しく過ごしてください」ということになるでしょう。
しかし、業務内容や会社の将来性といったこととまったく関係のないコピーは、どうしても説得力に欠ける気がします。
コピーではありませんが、もう一つ目についたのは、会社の保養所や厚生施設の写真をデカデカと載せている広告です。
求人情報誌でなければ、求人広告というよりも行楽地の宣伝ではないかと思ってしまうようなものでした。
福利厚生施設が充実していることも、会社選びの一つの条件ですが、それだけを広告の前面に出すというのも、どうでしょうか。
意地悪い見方をすれば、「ひょっとしたら、仕事が全然つまらないのではないか」と勘繰りたくもなろうというものです。
求人広告は、同業他社とどこが違うのか、どういった特色があるのか、将来性はどうか − といった応募者が興味を持つポイントを抜き出し、そのエッセンスをどう表現するかということに気を配っています。
ひそかに想いを寄せている彼や彼女の前では、いいところを見せたいと誰もが思うように、自分の会社をよりよく見せたいという採用担当者の気持ちも、よく理解できます。
ですから、ともするとオーバーな表現や美辞麓句を並べ立てたコピーになりがちなのでしょう。
反対に、広告のつくり方がへたな会社も、ときにはあります。
必要なこと以外は何も書いていない広告ですが、意外にこうした会社ほど誠意のあるいい会社だったりします。
手練手管のない正直さがあらわれているほうが、好感を持てることがあるものです。
あなたが長く勤めたいと考えているなら、こうした企業が狙い目かもしれません。
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